【感想】虹を見つけたら教えて。
少しお久しぶりです、ミヤです。
隠れた鬱ゲーとして名高い(?)「虹を見つけたら教えて。」読了したので感想書いていきたいと思います。プレイ時間14時間。
実は梅雨の時期のゲームということもあって6月に始めようと思っていたのですが、その時期に始めたH2Oで思ったより時間がかかってしまい、手をつけるのは10月になってました。
さすがに来年の6月まで寝かせるのもなぁ…と思って……。
私はエロゲーやる時はできるだけリアルの季節に合わせてやりたがるタイプです。
H2Oも夏ゲーなんで、夏が来る少し前に始めたつもりが終わるころには秋になってましたね。はい。私のプレイ速度が亀すぎるだけ…
雨ゲーでいえばシンフォニック=レインとかも積んでるのでいつか手つけたいですね。
音楽が素敵なゲームはそれだけで興味そそられる。
虹を見つけたら教えて。の感想記事なのに他のゲームの話ばかりになってる。
そろそろゲーム本編に触れていきたいと思います。
関係ないけどこのゲームの略称って何になるんだろう?にじみつ?にじおし?
シナリオ
なんていうかツッコミどころしかなくて面白かったです。
各ルートの詳細な内容についてはネタバレになるのでワンクッション置いてからまた後程書きますが、なんというかもうすごい。
鬱ゲーやりたくて起動したら失笑もののギャグゲーでした。
酷評しているように見えますが、シリアスなのになぜかシュールで笑ってしまう展開、キャラクターや台詞回しばかりで私は大好きです。
私は大好きです、このゲーム。(二回目)
あまりにもキャラクターの思考回路がカオスすぎて展開も読めないし、一周回って愛着すら湧くね。とりあえず主人公はゴミクズですけど。
ただ、読んでいてとにかく続きが気になって、時間を忘れてプレイしてしまったのでエンタメ作品としてはそれなりに評価できるものだと思いました。やっぱ進める手が止まらないっていうのがゲームとしての大事な部分だと思うのでね。(適当)
内容的に精神医学とか医療関係の知識の説明もあるのですが、なんというか説明がふわっとしててよくわかりません。
こことかね。医学的知識というか日本語がわかりづらい…詳しい人が見たらもっとツッコミどころあるんだろうな。と思いながら読んでました。たぶんシナリオ書いてるひとそんなに本格的には調べてないのかなって思います。
イラスト
標準以下だと思います。10枚に1枚くらいめちゃくちゃ可愛いCGとかあるにはあるんですけど、基本崩れてます。彩色も一般人でもできそうなレベル。
タイトル画面の可愛いスイちゃんに騙されてはいけない。
音声周り
キャラクターボイスはまぁまぁですかね。後述しますがとあるキャラクターの慟哭、叫ぶシーンが多いのですが迫真でゾクゾクします。あとスイちゃんの舌ったらずな話し方が可愛い。
ただ同じ画面に二人出てきたとき、なぜか片方だけ音声が小さくなったりしてて聞きづらかった。
BGMもシーンごとに合っていて、雨の季節ということもあって静かでしんみりする音楽もあって私は好きです。
OPやEDは古臭さもありますが、OPが特に好きです。
水溜まり Dancing Jump!
UI周り
2004年発売ということもあってめちゃ古いですね。基本的な機能はそろっているけれど、バックログが見づらい、というか遡りにくい。一画面にいくつか台詞が出る形式ではなく、台詞ごとにバックボタンを押さないと遡れません。
こんな感じ。
右端の△マークで一つずつ戻らないといけないのでめんどくさい!!
ただ、「この場面に戻る」ボタンがあるので、それは便利だったかな。
以下、各キャラ、ルートの内容に関してつらつら書き殴っていきます。
ネタバレ防止のため、続きは「続きを読む」からお願いします。
攻略順で書いていきます。
このゲーム、下手に好感度システムとか採用してるせいで狙ったキャラのルートに入れてもBADしか行けないなんてこともしばしば……
堺音海
メインヒロイン(たぶん)のスイちゃんの保護者。
精神的に疾患のある2歳児レベルの知能しかないスイちゃんから何度も目を離したり、大学休んでまで病院にスイちゃんを連れてきた主人公に対して「保険証忘れた、でもお金持ってない」だの「煙草吸いたい」だのご飯おごってもらったり誘拐犯呼ばわりして挙句の果てに主人公を「お節介」呼ばわりする人間的に欠陥のある人です。
序盤(共通)はひたすら音海にイライラしてました。
というか音海以外にもイライラする言動をするキャラはいるのですが、輪をかけて酷かったと思います。それでも個別入ったあとはマシになったからちょっとは良かったけど。
というのも、主人公が普通に二股かけるのでどっちもどっち感があって。他のヒロインと付き合ってる状態から音海を騙すようにして音海と付き合うだなんて主人公が宣うものだから、さすがに音海に同情してしまった。
まぁでもこの人も他のヒロインのルートでは主人公押し倒したりしてるから似たもの同士かな。。。
全ルートで共通して言えるのですが、主人公が共通ルートで晴香と付き合ってから個別ルートがスタートするものだから、いやいや、晴香と付き合う展開必要?ってなりました。
関係を清算してから次の人に行かないからこうなる。主人公がいくらきれいごと言っててても「いや二股かけてたクズ男に言われてもな…」ってなるからシリアスシーンでの感情移入がまるでできない。
ただスイちゃんが行方不明になってから発見されたシーンでは鳥肌立ちました。下手なホラゲーより怖い。おかねください…
雨宮晴香
自分のルートでは他の女に主人公を取られそうになり、他人のルートでは彼女にも関わらず主人公が他の女を好きになり必ず振られるという可哀想な立ち位置のヒロインです。
「可哀想」とは言ったものの、晴香も晴香で常識が足りておらず、自分勝手な行動をしてしまうきらいがあるため、あまりそこまで可哀想!!ぼくがまもってあげる!!!とまではいかなかったかな。
好きなシーンは悠紀との修羅場シーンです。
ここ晴香さんの本性が見えてて好きです。ただこのシーン、晴香さんが先に主人公と付き合ってるにも関わらず悠紀ちゃんとセックスしてるのバレたシーンだから、晴香さんの気持ちもわからんでもない。
修羅場大好き人間だから内心「いいぞもっとやれ」って思ってた。
晴香は本当にタイミングが悪い子だなと思いました。空気が読めないというか。
主人公を手放したくない一途な気持ちは伝わるんだけど、「今それどころじゃないんだって!!」って時に現れたり、不用意な発言しちゃったりするんですよね。
お嬢様で世間知らずなところが伝わってくるので、そこがまたリアリティあって好きです。
あと最後の方がご都合展開すぎてもはや半笑いでした。ただの医大生なのになぜかオペに立ち会った挙句病院長に指示出し始める俺TSUEEEE展開には笑いすぎて「ヘッ……w」って変な声出た。塩酸リドカインを。(キリッ)
新海悠紀
共通ではイライラする言動のキャラが多い中唯一の心の癒しでした。
病弱な母がいるのですが、共通ルートで亡くなるので、何度も悠紀ちゃんが「おかあさーーーんッ!うわあああ!!」って泣き叫ぶシーンを見せつけられる。
最初見たときの衝撃やばかった。頭お花畑な私は「親子丼ありそうだなぁ!」とか最初は思ってたけどそんな淡い夢は見事に打ち砕かれました。別に親子丼好きなわけじゃないけど。いやおいしいから好きだけど。何の話だ。
鬱ゲーって呼ばれる所以は多分この子のルートにあるんじゃないかなって思いました。
他のルートと比べても異質というか、何度も何度も悠紀ちゃんの精神を破壊するような出来事が起きる(自業自得含みますが)ものだから……ここまでタコ殴りにする必要あるんか?ってくらい。
親死ぬ系と動物死ぬ系はやめろ、私の心が死ぬ。
ハートフルボッコにされたのち、最終的に悠紀ちゃんが錯乱し介護される系ヒロインになってしまいます。いや全然抜けない。そんな様子を見て「悠紀タソ……(´;ω;`)」ってなってるプレイヤーを置いてけぼりにするかのように性的な悪戯を始める主人公、人の心がないんか?
BADエンドではHして射精したらいつの間にかヒロイン死んでます。何言ってるかわからねーと思うが(以下略)
TRUEエンドではこれもまたご都合主義だけど、それまでの展開が鬱鬱だったのでこれくらいいいかなって思った。
スイ
メインヒロイン的な立ち位置のはずなのに、個別ルートが短すぎる。短いというか、最後がぶつ切りですごくもったいなかったです。
スイちゃんの生い立ちとか家庭のこととか、保護施設の話とか、掘り下げようはいくらでもあったと思うのですが、力尽きたのでしょうか……
精神的な疾患の後遺症でこの年齢で2歳児程度の知能しかないとなると、これまで生きてくるのも相当大変だったんじゃないかと思います。もちろん保護者の音海や堺医師も。
流動食しか食べられない、言葉でのコミュニケーションもままならない、目を離すとすぐ徘徊してしまう。そんなスイちゃんへの周りからの視線もあるだろうし。
ただこの作品ではスイちゃんに対して差別的な対応をするキャラクターは少なく、そこはストレスなく楽しめました。(その分スイの保護者としての責任感が足りない音海へのイメージは最悪でしたが)
冒険的ではあるけれど、介護者にしかわからない辛さとか、こういう子が生きていく上での苦労とか、多くの人が知らない精神障がい者の一面を描いたりしていれば、唯一無二の作品になっていたんじゃないかなって思います。ただかなりセンシティブなテーマである上、それを描けるだけの正しい知識を持っていなければ中途半端になるのも仕方ないのかなって思ったりもする。特にこの作品が出た時期は2004年とか、今ほど精神疾患を持つ人への理解も広まっていなかっただろうし……
話は逸れましたが、スイちゃんが最初の方で主人公に対して放った「あなたのために、うまれたの」という言葉に対して、最後のシーンで「生まれた理由なんかより!あなたと生きる必然を知りたい!」というセリフがアンサーになっているのに気づいた時はぐっときました。スイちゃん、成長したんだなって。
オールクリアした時にタイトル画面に晴れ間が差し込んで、最終的に虹色がかった真っ青な空が見えるようになる演出は好きです。
ハーレムルート
本気の本気で蛇足だと思うけど、全員幸せになれるルートがこれしかないのが悲しい。
中盤、晴香と音海が主人公を巡って喧嘩したりごちゃごちゃやってるところは読む価値ないなって思った。茶番すぎる。
余談だけど、最後の崖に全員集まるシーンで、このゲーム史上初めて雨が上がり背景がぱっと明るくなるのだけど、同じタイミングでずっと雨が降っていた窓の外から大きく晴れ間が見えて自分の家の中が明るくなったのちょっとエモかった。
ここまで半分以上が愚痴という結果になりましたが(!)
個人的には好きですよこのゲーム、人には勧めないですけど。
全編通して「ココロのカタチ」というワードが出てきて、辛い出来事があってもそれを乗り越えられるかは自分が適応していくしかない、という主人公の考え方は割と好きでした。
(まぁ何度も何度も不貞行為働いてる上での発言だと思えば感動も半減するけども)
感想以上になります。
思ったまま書いてたら長くなっちゃったな…お疲れさまでした。