永遠に募集中。

気づいたら金髪キャラばかり好きになっていた。主にエロゲとかをレビューする。

【感想】魔女こいにっき


お久しぶりです、ミヤです。

Qoobrandさんの魔女こいにっきをプレイしたので感想つらつら書いていこうと思います。

このゲームとの出会いのきっかけは、FANZAの500円セールでした。いつものごとく長らく積んでいたのですが、新島夕氏の作品に興味があったので、軽い気持ちで手をつけることに。絵も可愛いし。やってみっか!くらいの気持ち。

いやこれ500円で買ったことを後悔するレベル。作り込まれた内容におったまげた。

最初プレイし始めたときは女の子視点なんてエロゲにしては珍しいと思い、そこから一気に引き込まれました。だってありすちゃん可愛いんだよ。なんのこれしきささにしきだよ。

 

 

そして移り変わる視点、時間軸も意味不明。同じ舞台の様に見えて、さっきの世界線で出てきたキャラクターがこの世界線では出てこないってことに気づく。いつもはあまりしないのですが、メモを取り出し自分なりに世界線を書き出し、整理して、この物語を追ってみようと思いました。結果的にめちゃくちゃ楽しめたので他のゲームでも手書きでメモするのありかもしれないな……

 

久々すぎてブログの書き方忘れてる……いつも何書いてたっけ。

とりあえず私の感じたままにつらつら書いていこうか……

ネタバレ感想は最後の方に追記で載せておきますがこのゲームをプレイする予定のある人は絶対に見ないでください。

 

イラスト

とても素晴らしいです。可愛い。そして華やか。どうしても重要キャラを担当する狗神煌先生のキャラデザに目がいきがちなのですが、他の攻略キャラクターもみんな魅力的で可愛かった。背景も綺麗でしたね。作画が崩れてる点も特に見当たらなかったかな。

 

音声周り

BGM聴いてて「聴き惚れる」ってことはあまりないのですが、聴き入ってしまい、思わず検索しに行くほど良曲ばかりでした。水月陵さんなんですな……そりゃ素晴らしいわけだ。OPもふわふわとしつつ始まりを予感させる曲調で、あまり他で聴かない曲調だな…と思ったらI’veだった。こんな曲も作れるんだね。

でも個人的にはEDが好き。monetさんが好きっていうのもあるけど、歌詞が。好き。この辺は後述します。ピクセルビーはずるいんよね。私の魂なんだからさ。

CVも皆さん演技派でよかったですね。くすはらゆい女史の出演する作品は恥ずかしながら初めてだったのですが、演技の使い分けが凄すぎて……ぽやぽやした演技と、激昂した演技とで、これ本当に同じ人?ってなりました。他の声優さんもだけど。

UI周り

特にいうことなし。必要なものは一通り。まるで本を何冊も読んでいるかのように、タイトル画面がころころ変わるの好きでした。

 

以下内容について触れていきます。ネタバレ全開ですので注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の言葉でこの「物語を語る」のはおこがましいし、魅力を伝えられる自信なんて一ミリもないし、むしろ歪曲して伝わってしまうんじゃないかと怖くもなります。

ゲームをプレイして内容を読み取った時も、感想を書くときも、自分の受け取り方、伝え方がへたくそすぎるあまり、嫌だとか恥ずかしいとか思うことはめちゃくちゃあります。こんな語彙で伝わるか?全然違うぞオメーって思われたらどうしよう、とか。

 

それでも自分なりの言葉で語るのは何も恥ずかしくないことだと分かった。

 

この物語の語り手は主人公であるジャバウォックであり、桜井たくみでした。でも一人一人のヒロインたちのストーリーを作り出しているのは、そのヒロインたち自身で。たしかにこのゲームの中には彼女たちなりの思いや言葉が溢れていて、生きていて、語っていた。自分自身を。

人の数だけ物語があって、読み手と語り手の数だけ、伝え方も受け取り方も違う。このゲームを批判する人もいれば、肯定する人もいる。私の「物語への姿勢」だって、どんなものでもいいんじゃないかとちょっと思いました。

 

かなり抽象的な書き方をしているのでゲーム本編をやった人でも理解できるか微妙です。私の自己満ですね。まぁそれでもいいんじゃないか、という結論です。

 

このゲームの好きだったところや感銘を受けた部分は色々あって、全部書き出すとばかみたいに時間がかかると思うので、いくつか私の思ったところ。

「物語」をテーマにしているだけあって、「恋愛シミュレーションゲームにおけるヒロインの扱い」について間接的に触れているのが印象的でした。

某エロゲ―や某文芸部みたいに、「攻略したあとそのヒロインはどうなっちゃうの?」ってところに焦点を当ててもいるのかな、と。

画面をのぞき込む三次元の私たちに直接語り掛けてくるなんていうメタメタなシーンはありません。なんとなくこんな感じに示唆してるんじゃないかな程度。

このゲームを終了する時に登場人物の誰かが「また会いに来てね」「また一緒に学校に行こうね」とかそんなようなことを言ってくれるのですが……それすらも、「そういう演出」に思えてきてしまう。

唯一零ちゃんだけが自分が物語の登場人物(幻)だと自覚するんですが(ゲームの中の物語の中の登場人物。ややこしい)、心がぎゅっとなりました。でもこれは物語だから。誰かが語れば、読む人がいれば、そこに生きてるんだよ。

 

 

最初に攻略したヒロインからこんなこと言われたら頭抱えちゃう。ゲームの中でしか生きられないってことを示唆してるんかなって思った。深読みかもしれないけど……


あと、このゲームの凄いところは構成と演出です。

ひも解いてみるとそこまで複雑な話ではなかったのですが。何も知らないありすが魔女こいにっきを一つずつ拾って読み、本当は何があったのかを知っていく、というあらすじで。でもこれってつまり何も知らないプレイヤーが「魔女こいにっき」というゲームをプレイするのと同じなんですよね。リンクしてる。三次元の存在であり傍観者俯瞰者である自分がいつのまにか南乃ありすという登場人物になっている。怖いけどすごい仕掛けだなと思いました。

時系列や語り手がぐちゃぐちゃなまま物語を読まされて、わけわからないまま辿っていって、混乱していた頭が少しずつすっきりして。最後にすべての視点が一つの物語に収束するのははっきり言ってめちゃくちゃカタルシスでした。こういう体験をするためにノベルゲームやってんだよこっちは!500円で買ってすみません。申し訳なさすら感じる。

日記を読むたびに日記帳を開くアニメーションが流れたり、上述したタイトル画面のことも、細かいところで没入感を増すための演出になっていて、すばらし~~~って感じです。急に語彙力なくすオタク。

最後のヒロインである崑崙ちゃんを攻略した直後、その切なさにEDで泣き、エピローグ(南乃ありすとジャバウォックの物語に至るプロローグでもある)でOPが流れた時また号泣しました。「わ~~~!!来る来る!収束する!!!」って感じ。

や~~でも崑崙ちゃんの気持ちを思うと崑崙ちゃん√のままでも良かったんだけど、それじゃあだめだよね。永遠に続く物語なんてないから、終わらせにいかないとね……

 

南乃ありすちゃんのおばあちゃんの件については途中から薄々気づいていました。似たようなトリックのゲームをやったことあったので……その作品のネタバレにもなるのでタイトルは伏せますが。

色々と無理はあるんですよね。学校通ったりとか、バイトしたりとか。でも伏線はわかりやすかったと思います。認知症のおばあちゃんが自分を若い頃の友達と思ってる、って知りながらも友人として接するけーこちゃんとやっこちゃんが優しすぎるんだ……これは最初から読むとまた違う感覚で読めそう。それはそれで心が痛いが。そして年老いていたり違う人物になってるのに同じ立ち絵使うのはずるいけどな……!

 

隠しシナリオについて、ふわっとした感じで終わったなぁという印象。語り手はジャバウォックで、読み手はアリス。だけど読み手なのにその物語に自由に干渉できるのおかしいというかずるい。現実世界で私たちが本を読むときはそこに干渉できないんだから。つまりジャバウォックも登場人物の一人でしかなくて、アリスは本当は読み手ではなく書き手だよねと。

そこがちょっと納得いかなくて、このシナリオは読んでも読まなくてもいいのかな……と思いました。しいて言えばあとがきみたいなもの。この物語を書いた作者が何を思って書いたのか、みたいな……メタであるからこそ、物語に直接関わってはこなくて、読んだら物語への印象が変わるともいえる。そういう作者の事情なんて興味ないぜ!っていう人にはあまり受け付けない隠しシナリオなんじゃないかなあ……この物語にとらわれたままのアリスちゃんには悪いけど。

 

 

一番好きなヒロインは選べないです。みんな生き生きとしてた。南乃ありすちゃんが好きだと読んでいる時は思っていたけど、全部通して読むと崑崙ちゃんかな。

果てない時間の中で、ジャバウォックが他の人を選んで、恋をして、それをずっとそばで見続けて。どうしたって自分に振り向いてはくれなくて、最後に一つだけ言ったわがまま。自分こそがジャバウォックが選んだヒロインだと、嘘をついた崑崙ちゃんを責めることなんてできない。それでも最後には好きな人の幸せのために「行きなさい」と言える崑崙ちゃんの強さと儚さに爆泣きしました。

 

金髪でチョロインでミズハスは某松嶋を思い出すのでやめて。そのコンボは俺に効く。

 

 

 

こんな感じで終わります。じっくりと物語に向き合うことの大切さとか、永遠に続く物語がないからこそ、新しい物語が生まれていくだとか。多くの事を学んだ作品でした。