永遠に募集中。

気づいたら金髪キャラばかり好きになっていた。主にエロゲとかをレビューする。

【感想】何処へ行くの、あの日

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何処へ行くの、あの日 - アダルトPCゲーム - FANZA GAMES(旧DMM GAMES.R18)

 

お久しぶりです、ミヤです。今回は言う程お久しぶりでもないかも…?

MOONSTONEさんの「何処へ行くの、あの日」をクリアしたので感想をいつものごとくつらつらと書いていきたいと思います。

 

このゲームを購入するに至ったきっかけとしては、たしかパッケージの夕焼け色がとても印象的だったのと、絵の塗りが私好みだったからですね。

始めてみると開始5分で「あ、これは私が好きな雰囲気のゲームだ」と直感しました。

合うゲームって最初の掴みから合うんですよね。逆の場合は苦痛でしかないですが…

 

  • イラストについて

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文句なしの出来だと思います。2004年の作品なのに今でも十分通用するくらいの綺麗で整っている絵じゃないかと。私が個人的にこういう陰影の濃い塗り(中期までのケロ枕とか)大好きっていうのもあるかもしれませんが…

人物の絵もそうですが、特にこの作品、夕焼けが何度も背景として出てきます。作中でも夕暮れ時は重要な時間帯なので、なおの事力を入れているのか、美麗な背景で雰囲気によく合っていました。

ただちょっと気になったのがとあるキャラクターだけ作画担当が違ったのか立ち絵からして若干怪しく、一枚絵では感動シーンだろうとなんだろうと作画が崩れっぱなしだったのが残念でした。

他のキャラクターは整っている分すごく浮いて見えてしまうのがマイナスポイントというか、可哀想でしたね。

 

  • BGMについて

挿入歌の流れるタイミングが完ぺきというか、完全に意表を突かれました。

「え?!ここで!?」と思わず画面にくぎ付けになってしまいましたね…

OPと挿入歌とEDで全三曲ですが、私は挿入歌が一番好きかも。

BGMもよかったです。特にタイトル画面のBGMがお気に入りです。

 

  • システムについて

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割と所見殺しなシステムなのですが、すべてのシナリオを読むためには一つのデータを使い続けなければなりません。一人クリアするごとにアイコンがつきます。

5人いるヒロインのうちの2人は攻略順固定で、先に三人をクリアしなければルートに進めないようになっています。

私はこのことを知らずに違うデータでやってしまったので全スキップでもう一度攻略しなおす羽目になりました…

 

そしてセーブスロットが6つしかないですね。私は攻略サイトを参考にしながらやったのであまりセーブはしませんでしたが6つはさすがに少ないんじゃないかと…

 

あと差分でCGの枠を埋めているのも気になりましたね。特別CGが少ないとかそういうわけでもないのですが、ちょっと水増し感あってずるいなぁと。

 

あとは…既読スキップ使用中に選択肢を選んだあといちいちスキップが解除になってしまったり、オートモードになっているのに勝手に止まったり、全画面にしているとOPが再生されなかったり(原因は未検証ですが)、気になる点はいくつかあったけどプレイに支障が出るとまではいかなかったです。ちょっと不便だなくらい。

 

  • エロシーンについて

後述しますが妹とはセフレ関係なので何度もHしますが、他のヒロインとは一回きりです。ストーリー上仕方ないとはいえちょっと差がありすぎな気も…

どのエロシーンもそこまでエロくないですが、幼馴染から恋人になった時の初々しい感じとか、終わりを分かっていて肌を重ねるシーンとか、印象的なHが多かったです。エロシーンなのにちょっとうるっと来ちゃうなんて…

 

  • キャラクターについて

以下攻略順。最初の三人は物語の根幹にあまり関わらないのでネタバレはないですが後の二人は…

 

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◆茂木一葉(CV.北都南

初めて声を聴いた時から絶対に一番最初に攻略するって決めてた子です。

私が生まれて初めてやったエロゲの、最初に攻略したヒロインの声優さんが北都南さんで、以来この方の声には本当に弱いです。刷り込みっていうんですかね。

一葉ちゃんのお話は、まぁ創作ではよくある展開かな…?と途中から読めてはいたものの、最後の最後で頭が真っ白になりました。普通にハッピーエンドで終わらせてくれよ…って衝撃が強くてしばらく画面の前でぼーっとしてました。

 

主人公と妹が腕を組んで歩いている時など、一人だけやたらと嫌悪感を剥き出しにしていたのはそういうことだったんだね。

あと結構な流血表現あります。ハイライトの消えた目と返り血が怖いよ…

 

 

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◆麻生桐李(CV.九条信乃

ぽんやり幼馴染系お姉さん。面倒見がよかったり、寝起きが悪くて面倒を見てもらったり、すぐお姉さんぶろうとしたり、可愛いです。

この子と上の一葉ちゃんはあんまり家族に恵まれていないですね。桐李ちゃんのお母さんはともかく、お兄さんはサイコパスだし父親もマッドだし…途中なかなかの鬱展開で頭抱えました。上でもちょっと言ったけど、幼馴染が恋人に変わる瞬間のあの何とも言えないむず痒い感じ、いいよね。

 

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◆青井智加子(CV.木葉楓

立ち絵や一枚絵があまり可愛くないのと、ルートもあまり印象に残らない不遇な子。

めちゃくちゃバッドなEDだったのは覚えてる。そこの衝撃が強すぎて他が全然記憶にない…

 

以下の二人はネタバレなしでは語れませんので、ワンクッション置いときます。物語の根幹、いわゆる世界の秘密が明かされていく大事なルートなので、面白さもここからうなぎ上りに上がっていきましたね…!

 

 

以下重大なネタバレですので注意!

 

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◆神崎千尋(CV.みる)

アホの子に見せかけて実は裏で暗躍してた系の苦労人女子。

日常シーンでの頭ぱっぱらぱーみたいな(失礼)雰囲気とは打って変わって、ルートではめちゃくちゃに真面目で、そして重大な秘密を抱えている子です。

この子のルートをやることでやっと世界の秘密が明かされ、共通で何度も千尋が意味深な発言をしていたことの意味が理解できるようになります。

 

 

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◆国見絵麻(CV.鷹月さくら

そして、千尋ルートを終え、絵麻ルートに突入したとき。

この「何処へ行くの、あの日」がノベルゲームであることを活かした作品であることに、やっと気づきました。

何気なく普段プレイしているような、選択肢で展開が変わるゲームっていうのは、「あったかもしれない可能性の世界を覗き見る」ともいえるじゃないですか。

このゲームはまさにそれを体現しているゲームで、今までの三人のルートっていうのは、「別の世界で主人公が選んでいたかもしれない世界線」なんですね。当然の事言ってるように見えるかもしれませんが実際この作品やった人はわかると思います。ごめんうまく言えない…

そして、その「あったかもしれない、それぞれの世界線」をプレイヤーはゲームを通して渡り歩きますが、実際に歩いているのは主人公ではなく、厳密には妹の絵麻でした。

渡り歩く…という表現よりも、世界線の夢を見ている、と言ったほうがいいかもしれません。

絵麻は、実の兄である主人公に恋愛感情を抱いています。

しかし、主人公は頑なにその思いに応えようとはしません。どの世界線でも主人公は絵麻を妹としてしか見れないのです。

それでも絵麻は、何度も何度も、兄と自分が結ばれる世界線を探ろうと夢を見ます。

かなり端折りましたが大筋の内容はこんな感じですね…

 

このゲームですごいなと思ったのは二つありまして、まず一つ目は「選ばれなかった世界線の話に主軸を置いている」という点。

上述の通り、絵麻以外のルートは選ばれなかった、絵麻が望まなかったから消された可能性の世界のお話です。これはなかなか新鮮な着眼点だなと思いました。

二つ目は「妹がメインヒロインなのに妹と結ばれることはない」という点です。

誰よりも主人公を愛していて、自分の身をなげうってでも主人公と結ばれたいのに、見向きもしてもらえない。「家族だから」というそれだけの理由だけれど、それが何よりも重たくて、やるせない。誰よりも兄を知っていて、そばにいながら永遠に結ばれず、何度も他の子を好きになってしまう兄を見る絵麻の心情を考えると本当に心が痛い……

 

タイトルは初見では絶対に意味が分からないと思いますが、やっているうちにわかってきます。

「あの日」とは。

消えていった世界線で紡がれる日々のこと。

もう二度と取り戻せない幼い夏の日のこと。

何も知らず無邪気に二人が「家族」でいられた日々のこと。

絵麻が一番に望んでいた、主人公と結ばれる日のこと。

こうしてすべて読み終えてから考えると、様々な意味が込められていて、この作品のタイトルはこれしかありえないということに改めて気づきました。

うーん、深い…終わってみて初めてタイトルの意味に気づくゲーム、好きすぎる…

 

 

以上になります。今回もいつも以上に乱文で申し訳ない…